
建築業界では似て非なる言葉が多用されており、一般の消費者には違いが判りません。
〝遮熱シート〟と、〝遮熱材(アルミ材の複合材)〟の違いをご説明します。
目次:
1.遮熱シートとは
2.遮熱材(アルミ材の複合)とは
3.なぜ、遮熱材(アルミ材の複合)は普及しないのか?
4.実際の測定効果
5.メーカー測定の高熱費効果
1.遮熱シートとは
家の湿気を逃がして外からの水を入れないため、家は透湿防水シートによって天井と壁が覆われています。新型コロナの医療チームが着ている防護服と同じ仕組みのシートです。
住宅の建築では、タイベックシートという製品名が使われています。
このシートの片面表面にアルミを蒸着した塗装をしている製品が〝タイベックシルバー〟という製品名で販売されています。この商品を遮熱シートとして施工されています。
最近、このタイベックシルバーを屋根に貼った家を見かけるので、お住まいになられていらっしゃるお隣りの方に当社の遮熱材の家と比べて頂きました。
夏場でしたが、タイベックシルバーを敷いても2階が暑いと言われています。
アルミを蒸着させているので、透湿防水シートに比べて〝いくらかの〟遮熱効果はあるでしょう。しかし、屋外に向けての片面塗装なので外からの熱を遮熱するための製品です。
冬場の断熱効果について
屋内に向けてのアルミ塗装は有りませんので、屋内の熱が外に逃げるのを止める効果は有りません。むしろ、屋内の熱が透湿シートの繊維の間を抜けて屋外に出ます。 したがって、タイベックシルバーでは冬場の断熱ないです。
このタイベックシルバーの製品の厚みは、、、僅か0.17ミリです。
(写真)
後ろにある薄い紙状がタイベックシルバー
表に2枚ある銀ギラギンが遮熱材(アルミ箔を両面に貼った複合材)

2.遮熱材(アルミ材の複合)
当社が使用している遮熱材はアルミ材の複合シートです。
高性能タイプを使用していますので厚みは、、、8ミリあります。
遮熱シートの47倍の厚みです。
表面も裏面も、高純度アルミ箔を貼っていますので断熱効果があります。
①構造の仕組み
シートの厚みが8ミリもあるのは、構造自体が7層構造の複合材になっているからです。

②夏場と冬場の効果図(製品名:アストロフォイル)

3.なぜ、遮熱材(アルミ材の複合)は普及しないのか
①遮熱材以外にも別構造が必要
遮熱材(アルミ材の複合)単体を家に巻けば良いというものでは有りません。
単に巻くだけですと、外部に面している部分と屋内側との温度差によって屋内に結露が出来ます。これを防ぐために屋内側に遮熱材に熱を伝えない構造が必要です。
構造ノウハウが無いと天井に結露した水がたまり雨漏りのような現象が起こることがあります。この雨漏り現象が怖くて施工できないのです。 ネットでも遮熱材を使ったら雨漏りが起こったと書いてある情報もあります。
②コスト効果を説明できるノウハウがない ・遮熱材自体も他の断熱材に比べて高いです。 ・遮熱材以外に別構造を付帯するためにコストも掛かります。 これらのコストに見合う効果を理解できないとお客様に納得して頂けません。
③施工ノウハウ メーカ指定の施工方法だけでは怖いのが正直な答えです。
かなり細かく施工を指定して、施工管理をしないと不十分な結果になります。 場所ごとにノウハウが必要で、コージーベースでは自社で施工の仕上げをしています。
施工に手間暇が掛かりますので。短納期で回している建設会社では難しい内容です。
4.実際の測定効果
コージーベースでは工事中や完成後に測定を行いました。
工事中見学にお越しのお客様、完成見学会にお越しのお客様ご自身でも測定をして頂いています。 夏場で測定していますが、外壁が35℃を超えていても、室内の壁は外気を同じ気温の26℃でした。天井の温度は屋根の表面59℃ありましたが、屋内の天井裏は34℃で15℃も低かったです。
この温度差の効果は当社固有の構造と施工方法によるもので、他の方法で同じ結果になると言えません。また、南面、北面、西面、東面の壁や、太陽の位置によって変わります。 冬場の工事現場は暖房器具を持ち込めませんので測定が出来ませんが、外の熱は跳ね返し、中の熱は留める原理なので夏場も冬場も熱源が入れ替わるだけで効果が出ます。 結論としては、通常の断熱材では考えられない数値の結果が出ています。


5.メーカ測定の光熱費効果
家の日照環境によって、光熱費の効果は大きく変わってきます。
実際には家が太陽と接する外壁の面積によっても効果は変化します。 メーカー実測値の数字を見ても、コージーベースが実際に測定した内容と近似値です。 コージーベースの家の方がメーカー測定よりも効果が出ています。 したがって、メーカー測定の効果についても信用して良い数値だと思います。
