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【短編小説】マイホームの夢_私と同じにならないで!

更新日:2021年12月27日

短編小説「マイホームの夢」

~ 私と同じにならないで! ~


短編小説「マイホームの夢」 ~ 私と同じにならないで! ~
短編小説「マイホームの夢」 ~ 私と同じにならないで! ~

私は飯田沙耶。同い年の夫の隆二と、5才になる娘の陽菜と暮らしている37才の専業主婦です。憧れのマイホームを建てるため、仕事が忙しい夫の分も日夜、情報収集に勤しんでいます。


 先日娘と二人で住宅展示場に見学に行きました。

「すごいねママ。大きい家がたくさんある」

「そうだね。ちょっと高そうだけど」


住宅展示場にはとても立派な家が立ち並び、マイホームの夢がふくらみます。

展示場にある大きな家のお値段を聞くと、さすがに手が届きませんでした。

それでも自分たちが住むとどうなるだろう、そうやって想像を巡らせていました。


「陽菜はどのお家が好き?」

「私、あの壁がピンクのお家がいいな」


 でも、子どもの目はこっそりと値段を中心に見ています。いくつかの住宅メーカーのうち、ベランダから金額の垂れ幕を下げている、ひと際安い住宅がありました。あまりにも安さを売りにしているので誰も近寄りません。ちょっと恥ずかしいですよね。夫がいたら多分見に行かないだろうと思い、娘とその住宅を見学しました。