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断熱等級5、耐震等級3|等級の数字だけでは見えない、私たちの考え方

執筆者の写真: cozybase
cozybase
17 時間前
読了時間: 12分

カテゴリー:家づくりの基礎知識


住宅性能評価の等級だけでは見えない現実
住宅性能評価の等級だけでは見えない現実

断熱等級5、耐震等級3

等級の数字だけでは見えない、私たちの考え方



家づくりを調べていると、必ず等級の話になります。

断熱等級は5か、6か、7か。耐震等級は3か。


ただ、等級は「何を測っているか」が決まっている指標です。

計算されていないものは、等級には出てきません。


この記事では、断熱等級とはいったい何か?それ以上に調べておく必要がある断熱等級・耐震等級の取り方について、詳しく解説をします。 コージーベースがなぜ断熱等級5を選び、なぜ等級6を目指さないのか。そして耐震等級3をどうやって取得しているのかを、正直にお伝えします。


賛否のある考え方も含みます。

他社と比べるための材料として読んでいただければと思います。


まず、断熱等級5とは何か

断熱等級5は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の断熱性能です。省エネ基準と比べて、一次エネルギー消費量を20%削減できる水準にあたります。基準となるのはUA値(外皮平均熱貫流率)で、地域によって数値が異なります。

地域区分

主な地域

等級5のUA値基準

1・2地域

北海道など

0.40以下

3・4地域

東北・北陸など

0.50以下

5〜8地域

関東・関西・四国・九州など

0.60以下

松山市は6地域です。 基準は0.60以下になります。

コージーベースの家は、断熱等級5です。


なぜ、等級6を目指さないのか

正直に書きます。等級6や7が悪いわけではありません。

数値が高いほど熱は逃げにくくなり、冬の暖房費は下がります。北海道や東北で等級6以上が推奨されるのには、明確な理由があります。ただ、松山の家で優先すべきものは、そこではないと考えています。


理由はひとつです。


西日本で住まいが厳しいのは、冬より夏だからです。

北海道の家づくりは、いかに熱を逃がさないかの勝負です。 松山の家づくりは、いかに熱を入れないかの勝負になります。


断熱材を厚くすることは、前者には直接効きます。しかし後者に対しては、入ってくる熱を「遅らせる」ことしかできません。

私たちは、断熱材の厚みを競うより、熱が断熱材に届く前に処理するほうを選びました。


断熱等級が測っていないもの

ここが、この記事の中心です。

熱の伝わり方には3種類あります。


伝導熱 — 物質の中を熱が直接伝わる

対流熱— 空気が動いて熱を運ぶ

放射熱(輻射熱) — 物質を介さず、電磁波として熱が飛ぶ


UA値は、外皮全体の熱の逃げにくさを平均で表した指標です。夏の日射取得については、ηAC(冷房期の平均日射熱取得率)という別の指標で評価されますが、これは主に窓からの日射を見るものです。


真夏の屋根が70℃以上になり、その放射熱が室内に降りてくる——この部分を、等級の数字は十分に表していません。

(屋根表面70℃以上は、当社が実際の家で計測した実測値です)


だから私たちは、3種類それぞれに別の対策を当てています。


1|放射熱 → アルミで跳ね返す

家全体をアルミで包んでいます。アルミは放射熱をほとんど吸収せず、反射します。断熱材に到達する前に、跳ね返します。


2|対流で運ばれる熱 → 通気層で逃がす

跳ね返しきれず、屋根や壁に溜まった熱は、通気層の上昇気流で屋外へ排出します。熱を止めるのではなく、溜めないという考え方です。


3|伝導熱 → 38mmの無垢材

屋根や床から伝わる冷たさには、38mmの音響熟成®木材が効きます。一般的な住宅の床材が15mm程度であることを考えると、2倍以上の厚みです。


熱の3種類を抑えたうえで、断熱等級5が備わっています。

等級5の断熱性能は、これら3つを通り抜けてきた分を最後に止める役割です。最初の砦ではなく、最後の砦として使っています。


[夏に涼しい家] 外から熱をアルミ遮熱で跳ね返す、その後に断熱等級5の断熱材が入っています
[夏に涼しい家] 外から熱をアルミ遮熱で跳ね返す、その後に断熱等級5の断熱材が入っています


床の断熱材が、数年で垂れ下がる問題

あまり語られない話を書きます。

一般的な木造住宅では、床のフローリングの下に、発泡系の断熱材を下から支える形で取り付けます。

これが、数年経つと断熱材が反って垂れ下がることがあります。

垂れ下がると、断熱材と床下地のあいだに隙間ができます。その隙間の横から、床下の冷気が入ってきます。 冬に足元が冷える家の原因のひとつです。

引き渡し時には問題がなくても、5年後、10年後に性能が落ちていくタイプの不具合です。床下に潜らないと見えないため、気づかれないまま過ごされることも少なくありません。


一般住宅の床下施工
一般住宅の床下施工

私たちは、床にまずアルミを張って空気の通り道を止め、その上に断熱材を乗せています。

断熱材をピンでぶら下げるのではなく、アルミ遮熱の上に乗せる。 垂れ下がりようがありません。


(コージーベース標準仕様)これが長期保証を約束する床の施工です
(コージーベース標準仕様)これが長期保証を約束する床の施工です


C値(気密)を測っても意味ない理由

ここは、賛否が分かれる部分です。正直に書きます。

気密性能を示すC値を、当社では測定していません。

なぜ測っていないのか

理由は、気密層の位置が一般的な住宅と違うからです。

一般的な住宅では、断熱材の内側(室内側)で気密を取ります。シートを室内側に張る方法です。この方法には、ひとつの前提があります。湿気は室内から壁の中へ入るという前提です。


しかし実際には、外から湿気は入ってきます。


断熱材の外側には、一般的に透湿防水シートを張ります。

このシートは、瓦のように、下から上へ重ねて張っていきます。 上のシートが下のシートに被さる形です。こうすることで、外壁の内側を流れ落ちる雨水は、中に入りません。

ただし、水は上から下へ流れますが、湿気は下から上へ上がります。


シートの重ね部分は、必ずしも全面が接着されているわけではありません。その合わせ目が、上昇してくる湿気にとっての入り口になり得ます。入った湿気は、断熱材に達します。壁内結露は、そこから始まります。

誤解のないように書きますが、透湿防水シートが悪いという話ではありません。 重ね張りの合わせ目は密封されていません。タッカー(ホチキス状の針)で止めている状態になっています。タッカー(ホチキス状の針)の穴からも水が入る可能性もあります。

透湿防水シートの防水性能は10年ー20年です。私たちは調湿防水シートの機能が衰えてからも家を守る必要があると考えています。

透過防水シート施工写真
透過防水シート施工写真

私たちは、透湿防水シートの機能が衰えた時の対応、層の連続性に欠けている課題に対して、別の方法を選んだということです。

私たちは、断熱材よりも外側にアルミを張っています。アルミは湿気を通しません。外からの湿気を、壁の中に入れない。これが、当社の壁の考え方です。気密層と防湿層を、外側で兼ねています。

アルミは重ねるだけでなく、継ぎ目を処理して連続した一枚の層にします。施工時には、外から目視で針の穴ひとつ開いていないことを確認しています。重ね部分の合わせ目も、同じように確認します。


正直に書く、この判断の弱点

「測っていない」ことに不安を感じられるのは、当然だと思います。C値は、第三者が数字で検証できる指標です。目視確認は、私たちの申告でしかありません。


また、気密は24時間換気(2時間に1回家の空気が変わる)が正しく働くための前提であるという考え方もあります。気密が低いと、設計した経路で空気が流れません。しかし、空気の経路まで計算して設計が成されていればの話しです。実際には室内空間に対する吸気口と換気量で計算されており、実際の空気経路までは設計に至らないのが実態です。空気を入れ換えるのは簡単ではありません。吸気と排気が対角線上になければ機能しません。家のコーナーに化学物質濃度の高いホットスポットが発生します。人が住む家としての考え方を優先するならば、化学物質を使わない建材で家を建てることを優先すべきだと考えます。

C値という指標に意味がないと言い切るつもりはありません。

私たちが申し上げているのは、測定の条件と実際の住まいに差があるということです。C値1.0の場合、延床面積100m²で家全体の隙間は「名刺1枚分」ほどの大きさに相当します。

実際に住む家にはもっと大きな開口が幾つもあります。キッチンのレンジフードや各所の排気ダクトなど、それを塞いで測った数値は、住んでいる状態をそのまま表す数値ではないということです。なので、C値には実際に住む家との反りがありすぎるということです。見学の際に直接お尋ねください。 C値測定は排気や吸気のダクトを塞いで測定したものですか?正直に答える会社は信頼できると思います。ここまで書いても、私たちの説明で納得いただけなければ、それでも結構です。


[C値]や[Ua値]だけで家の快適さは決まりません

同じ室温でも、空気が乾いていると寒く感じます。逆に乾ききっていなければ、室温が低めでも寒さを感じにくくなります。

快適さは、温度だけでは決まないということです。

私たちの天井面と床の両方に使っている38mmの音響熟成®木材(ノーワックス)が、ここで効いてきます。

木は、空気が乾けば水分を放ち、湿れば吸います。厚みがあるほど、その容量は大きくなります。

その結果、エアコンの暖房を入れていても、加湿器なしで室内の湿度が30%前後に保たれます。これは実測値です。どの家も同じ仕様で家を建てていますので、再現性がある数値です。


比較のために書きます。冬の一般的な住宅では、市販のデジタル湿度計が「LOW」と表示して測定できなくなることがあります。 多くの家庭用湿度計は、下限が20%です。

正直に付け加えます。 30%という数字は、一般に推奨される40〜60%を下回っています。理想的な湿度ではありません。私たちが言えるのは、暖房を使いながら加湿器なしでこの水準を保てるという点だけです。より高い湿度を望まれる場合は、加湿器を併用してください。


耐震等級3|木材フレームだけで取得しています

耐震等級3は、最高等級です。 消防署や警察署など、災害時の拠点となる建物に求められる水準にあたります。

コージーベースの家は、すべて耐震等級3です。

ここには、あまり知られていない違いがあります。

合板に頼らず、骨組みで取っています


一般的な住宅では、構造用合板(ボンドで固めた集成材)を壁に張って耐震性能を確保します。面材で建物を固める方法です。しかし、ボンドの接着力が経年劣化していくとどうなるのでしょうか?


私たちは、構造材—木の骨組みだけで耐震等級3を実現しています。

天井の38mmの板、床材の38mmの板も計算に入れていません。

天井と床に張る38mmの音響熟成®木材は、実際には水平方向の変形を抑える働きをします。しかし、この38mmの板を耐震計算に加算せずに、性能評価を取得しています。

つまり、評価上の等級3に、38mm板の効果が上乗せされている状態です。一般的な住宅で使われる天井板・床材は15mm程度です。2倍以上の厚みの板が、計算外の余力として入っています。


木材の骨組みだけで耐震等級3を実現
木材の骨組みだけで耐震等級3を実現

ソーラーパネルを載せない理由とは

GX志向型住宅の補助金を狙った家づくりを、私たちはしていません。補助金の要件にソーラーパネルの設置が含まれるためです。

理由は、将来のコストです。


交換コスト パネルにもパワーコンディショナにも寿命があります。交換時には、足場を組み、屋根に上がる作業が発生します。設置時と違い、住みながらの工事になります。


廃棄コスト 使用済みパネルの処分には費用がかかります。将来の処理体制や費用については、まだ不確定な部分が残っています。一軒の家で約20万円の廃棄処分費が必要です。(2026年当社調査)


屋根への影響 屋根面に架台を固定します。屋根の防水にとって、穴が増えることは有利には働きません。当社は天井板を張らない構造のため、屋根の防水には特に慎重です。

30年、40年住む家です。設置時の補助金と、その後に発生し続ける費用を並べたとき、私たちは見合わないと判断しました。


正直に書く、この判断のデメリット

ソーラーパネルを積んでいないのでZEH(ゼッチ)の補助金がとれても、GX志向型の補助金を受け取れません。

GX志向型住宅の補助金(2026年度)は1戸あたり110万円です。ソーラーパネルを積んでいないZEH(ゼッチ)の補助金は45万円です。 初期費用を抑えたい方に55万円の差は大きな金額ですが、先着順で申請時期が遅いと締め切られて、貰えるはずの補助金が貰えない不利益が発生する恐れがあります。補助金ありきで予算検討をされる方には残念な結果となります。


コージーベースの判断が絶対に正しいと申し上げるつもりはありません。 ソーラーパネルを載せて補助金を受け取るのも、十分に合理的な選択です。


私たちは、初期費用より生涯費用を重く見るという立場を取っている、というだけです。そこが合わない方には、他社のほうが満足度は高くなります。



比較検討として確かめておきたいこと

等級の数字は、どの会社もパンフレットに書いています。数字の裏側を聞いてください。


1|「断熱等級はいくつですか」の次に「夏の日射対策は何をしていますか」と聞く UA値は熱の逃げにくさの指標です。夏の暑さ対策は、別の話です。両方を説明できるか確認してください。


2|床の断熱材の納まりを聞く 「床の断熱材は、ピンで止めて吊っていますか」。垂れ下がりのリスクを理解している会社かどうかがわかります。


3|耐震等級3の取り方を聞く 「構造用合板を入れた数値で取っていますか」。同じ等級3でも、中身は違います。


4|真夏の午後に行く 数字の説明より、これが最も確実です。


最後に

等級は、比較のための便利な物差しです。ただ、物差しが測っていないものは、数字に出てきません。

断熱等級5という数字の後ろに何があるのか。耐震等級3をどうやって取っているのか。そこまで聞いて、初めて比較になります。

この記事の4つの質問は、どこの会社の見学でも使えます。ぜひ持って行ってみてください。


参考

  • 国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律」断熱等性能等級・耐震等級

  • 経済産業省・国土交通省・環境省「ZEHの定義」


コージーベースは、松山市で自然素材の家をつくっている工務店です。断熱や耐震の考え方について詳しく聞きたいことがあれば、お気軽にお尋ねください。他社で検討中の方でも構いません。

無料の「木のおうちギフトBOX」:https://www.cozybase.jp/pamphlet


≪記事執筆者≫

コージーベース株式会社

代表取締役 松本 好司(まつもと こうじ)

出身: 松山市生まれ

富士通在職中: 26年間で28回の経営表彰(社長表彰含む)

広島県庁: 特別職 経営企画アドバイザー

公立大学: 経営大学院(MBA)新設に携わる

国の研究機関: プロジェクトマネジメントアドバイザー

建築学科を持つ学校法人: 顧問・専門委員を経験

保育事業: 科学的知見をもとに、健康で安心な保育園設置のアドバイザーを歴任

現在は、これまでのすべての経験を集約し「人生の質を高める住まい」をテーマに活動。

子どもたちの未来と家族の健康を守るため、生まれ故郷である松山・愛媛にて、自然素材を活用した本物の健康住宅の設計・普及に全力を注いでいます。


体感プログラム(無料)の詳細は:こちら


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愛媛県で、創業以来、「健康住宅」だけを建て続けています。天井大空間のデザインが特長です。
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