自然素材の家のデメリット7つ|9年間、施主から聞いた不安を正直に書きます

更新日:8月27日

自然素材の家のデメリット7つ 9年間、施主から聞いた不安を正直に書きます
自然素材の家の「良いところ」を書いた記事は、インターネット上にいくらでもあります。その多くは、自然素材の家を建てている会社が書いたものです。私たちもその一社です。
だから、この記事では逆のことを書きます。
実際に住まれている方から、私たちが直接聞いてきたご不満だけを並べます。
松山で9年間この仕事をしてきて、お客様へのご説明や、お引き渡しのあと、毎年訪問をしてお顔を合わせて言われてきたことです。きれいな言葉に言い換えず、そのまま書きます。
読み終えて「思っていたのと違う」と感じられたなら、それは有益な発見です。家を選ぶ前、建てる前に気づけたのですから。
1. 無垢材の傷がつきます
無垢のフローリングは、傷がつきます。
複合フローリングは表面に樹脂の層があり、これがある程度の傷を防いでいます。無垢材にはその層がありません。木がそのまま表に出ています。
椅子を引きずれば線が入ります
おもちゃを落とせばへこみます
犬や猫の爪あとは残ります
掃除機のヘッドをぶつけただけでも跡がつくことがあります
この内容をよーく考えてみてください。普通の一般住宅のフローリングでも同じことが言えます。一般住宅では工事中に出来たへこみや傷はクレヨンの補修材で消して引き渡されます。お互いに化学物質製品同士だから補修が出来ます。 しかし、無垢材の傷は化学物質の補修材を塗ることが出来ないので、傷が付くと言われる所以だと思います。お引き渡し前に床を点検してペーパーヤスリで削ってからワックス仕上げをしています。
化学製品の床材を選んでも、無垢材にワックスを塗って保護をしても、入居して一週間で最初の傷がつく、というのはごく普通のことです。
ここは価値観の問題です。「傷も味になる」と感じる方には自然素材は向いています。「新築の状態を保ちたい」という方には、どちらの選択肢も同じ結果になると思います。
このような課題があり、
コージーベースでは住まれてからもお客様ご自身でパーパーヤスリでメンテナンスが出来るようにワックスを使わない、自然のままで使える「音響熟成Ⓡ木材」の浮造りの床を創業以来、使い続けています。
実際のところへこみは、水を含ませて熱を加えると、ある程度戻ることがあります。ただし「元通り」にはなりません。深い傷はサンドペーパーで削れます。私たちがなにより大切にしたのは、ワックスを塗って家の空気を汚さないということで今の床材を使っています。
2. 自然素材は、反ります
木は生き物です。湿度を吸って膨らみ、乾いて縮みます。呼吸をしています。冬乾燥して木が縮み、夏湿気を吸って膨らみます。
木造で家を建てると大なり小なり同じです。
無垢材の床は床鳴り季節の変わり目に、歩くとキシキシ鳴る箇所ががあることがあります。多くは木の伸縮によるもので、時期が過ぎると収まります。これは施工不良ではありません。無垢材である限り、必ず起きます。
実際のところボンドを塗って止める床材の家でしか暮らしたことがない方が世の中のほとんどです。なので、驚かれます。暫くすると収まりますとお伝えする手間とご説明をします。自然素材の家は、時間と共に木材同士が家の重みで調和をとる時間が必要です。
私たちは建築基準法でボンドは規制の対象外だということを知っています。また、床から出る化学物質は高濃度なので、条例で規制がある東京都や横浜市などが保育園などの公共施設において、床から30cm、60cmの高さで子どもが寝る位置、立っている位置で空気中の化学物質濃度を測定していることも知っています。
住居という人が暮らす建物は、健康で暮らすことが最優先の選択肢であり、生涯に渡って元気で健やかに暮らして頂きたいという設計思想で家を建てさせて頂いています。
3. 漆喰の壁が浮きます、ひびが入ります
漆喰は塗り壁です。ビニールクロスと同じ石膏ボードの上に塗り壁を施しますが、しっかりした施工知識がない工務店が行うと、石膏ボードが揺れるとひびが入ります。漆喰が浮いてきます。これが本当の漆喰です。〝本漆喰〟と呼ばれるものです。
ひびが入らないためには、ボードの繋ぎ手をジョイントテープで止めて、下地の塗り処理を厚めに施します。特に開口部の角(窓やドアの四隅)や、構造材の継ぎ目に沿って出やすい傾向がありますので、注意深く施工をします。

ここまでやっても、地震などの揺れによって家が揺れてコーナーの四隅にひびが発生することがあります。どうしても気になる箇所は漆喰の補修用の粉で潰していくことが可能です。最初は補修跡が出ますが経年によって周りと同化していきます。
世の中に出回っている漆喰は、ボンドが入っていて下地処理無しで漆喰の一発塗りで終われる漆喰がありますが、見た目には漆喰に見えても漆喰そのものの利点とは少し離れた存在にあるように思います。漆喰がポコンと浮いてきたりしているそうです。実際のところ構造上の問題ではありません。ただ、「まっさらな白い壁がずっと続く」と思って建てると、年月が経た段階で必ずがっかりします。
家を建てた方のネット愚痴で、ビニールクロスにシワや歪みがあると書き込んでいるのと同じだと思います。ビニールクロスで施工するにせよ、漆喰で施工するにせよ、ボード下地の処理が重要な要素であって、漆喰だから起きるとは言い切れないと思います。
4. 高いです
はっきり書きます。自然素材の家は、高くなります。
理由は3つあります。
材料費
無垢材は、同じ面積の複合フローリングより高くつきます。漆喰もビニールクロスより高い。桁が違うわけではありませんが、家一軒分になるとまとまった差になります。
手間
塗り壁は、職人が一面ずつ手で塗ります。下地処理で1回、下地塗りで1回、漆喰塗りで1回と、3回の手間が掛かります。ビニールクロス1枚をのりで貼るのとは作業日数と時間が違います。人件費がそのまま乗ります。
工期
塗り壁は乾燥を待つ時間が必要です。家1棟で1トンくらい漆喰を使いますので乾くまでの時間が必要です。当社ではひと月多く工期を見て頂いています。が延びれば、現場管理の費用も増えます。
「自然素材だから体にいい、だから多少高くても」という説明をよく見かけますが、多少ではありません。 予算が最優先であれば、素直に他の選択肢をご検討ください。
5. 水と油に弱く、シミが残ります
無垢材には表面の保護層がありません。液体がかかれば、そのまま吸います。ワックスを塗る必要があります。
では、ワックスを塗ったらワックスが剥がれたときにボロく感じると思います。であれば、一般住宅の化学物質製品の化粧材と同じではないのか?と疑念が沸いてきます。
そのまま使って木の味わいとして、経年美化として捉える考え方もひとつの方法です。が、この問題を解決する方法がありました。
無垢材をそのままワックスなしで使っていれば、木を洗うことが出来ます。ウッドウォッシュというヨーロッパで行われている方法です。専用の洗剤もありますが、ハンドソープを掛けて染みこませて雑巾で水洗いすると汚れは取れます。大掃除くらいの感じで1年に1回とか、数年に1回で良いように思います。
私たちが悩んだのは、日々水が飛び散る水回りの造作です。造作で水回りを!とお考えの方にどう対応していくのか??
当社のテーブルで8年使っている音響熟成Ⓡ木材の〝黒〟の木材を見て、水に濡れてもシミが目立つ素材でもなく水に強い焼き杉を使うことにしました。塗装もしないで、焼いて洗い流した素材ですので、ワックスなどしていません。お手入れも拭くだけです。

漆喰が白だから白色の照明を提案していましたが、黒色の照明が意外にもデザインに合うことが分かってきた結果です。ナチュラルな色の木材と黒色の木材がデザイン的にも自然素材同士で調和して気品ある仕上げになっています。
6. 新築のあいだ、木の匂いが強く出ます
自然素材の家は、木の匂いがします。
これは多くの方に喜ばれる点ですが、木の香りが嫌いな方には向きません。その多くが木材に注入した薬品の臭いを含んだ木材の臭いを木の香りと勘違いされている方です。
多くの方は木材そのものの香りを知りません。なので、当社は資料請求を頂いたお客様へ浮造り床材のカット材を入れて「木のおうちギフトBOX」にしてお届けをしています。
自然素材の木の家を買われた方も当社にお越し頂きますが、木の香りはしなくなったと言われていました。実際にそのお宅に訪問すると、焦げた臭いが漂っていました。
使う木材によって、その木材の処理方法によって、本来の木の香りとは異なってきます。自然素材の家と言って選んで住んでみても、実際に大きな違いが発生することが分かりました。
この違いをこの文書でご説明することは困難です。当社にお越し頂いたら、木の香りの違い、空気の違いに気づくと思います。これは空気を綺麗にする〝幻の漆喰〟の効果でもありますので、木材だけの効果と断定した言い方は避けています。
では、選んだ家の10年後の姿が気になる。と思われる方が多くいます。なので、10年以上経った家に泊まって頂く宿泊体験をご案内して確かめて頂くようにしています。

住んでからの家の姿は、新築の家の見学よりも、10年以上経った家に泊まって頂くことが本当は大事だと思っています。私たちが宿泊での体感をおすすめしているのは、こういう理由もあります。
7. 建てられる会社が少なく、工期も長くなります
自然素材の家は、どこの会社でも建てられるわけではありません。
無垢材の反りを見越した納まり、隠し釘の打ち方、塗り壁の下地のつくり方、湿度と換気の設計——これらは知識と経験がないと難しく、扱ったことのない会社が施工すると、上の1〜3の症状が通常より大きく出ます。
結果として、選べる会社が限られます。

さらに、工期が長くなります。塗り壁の乾燥待ちがあり、材料の手配にも時間がかかることがあります。一般的な工法より1〜2ヶ月ほど余分に見ておく必要があります。
加えて、私たちのように年間の棟数を絞っている会社の場合、ご希望の時期に着工できないこともあります。
「短期の間に引っ越したい」という明確な期限がある方には、向かないことがあります。
これを読んで、やめようと思われたなら、それが正しい判断です。
私たちは年間5棟しか建てていません。だから、無理にお引き受けする必要がありません。合わない方に建てていただいて、住み始めてから後悔されるほうが、お互いにとって不幸です。
ここまで読んで、「予算を最優先したい」と思われたなら、他の会社のほうが満足度は高くなります。
ただ、高いと言ってもどこと比較するかによります。
当社では大手ハウスメーカーの家に比べても、500万円から1000万円は安いお値段にしていますが、ローコストのハウスメーカーに比べると2割から3割くらいは高い家です。
それでも検討される方へ|見学時に確認すべき4つのこと
自然素材の家を見に行かれるとき、この4つを確認してみてください。どの会社の見学会でも使えます。
1. 築3年以上の家を見せてもらう
完成直後のモデルハウスは、どこもきれいです。傷も隙間もひびも、時間が経たないと出ません。 実際に人が住んでいる、3年以上経った家を見せてもらえるかどうか。ここで会社の姿勢がわかります。
2. 工事中の家を見せてもらう これは住宅会社が一番に嫌がります。使っている素材が丸見えになり、そこから出来る匂いを知られたくないこと。建ってから見えなくなる仕事の粗さをお客様が見られることにあります。
なので、いろんな言い方をして見せて頂けない会社は選択肢から外しても良いと思います。
3. 匂いを確かめる
不動産業界のあるあるですが、お客様がご来訪する前に換気をします。家に入った途端、目がチカチカしたり、夏場には強烈な匂いを感じる人がいるからです。新築の見学会は朝に換気をして、24時間換気を動かして空気を入れ換えることをやっています。
それでも、ドアを開けて入った瞬間の匂いは隠せません。時間が経つに連れて分からなくなります。閉鎖空間であるクローゼットのドアを明けてみると、その家の建材の空気が分かると思います。
最後に、デメリットを7つ書きました。
これらはすべて、素材が生きているために起きることです。傷がつかず、動かず、ひびも入らない素材を選べば、こうした問題は起きません。それも十分に合理的な選択です。
自然素材の家を建てたこともない、入ったこともない、住宅営業が言っていることは正しいのか?、現実と照らし合わせて検証して頂ける材料になればと思います。
大事なのは、知らずに建てて、住んでから気づくことを避けることだと思っています。
コージーベースは、松山市で自然素材の家をつくっている工務店です。この記事の内容について、詳しく聞きたいことがあればお気軽にお尋ねください。他社で検討中の方でも構いません。
≪記事執筆者≫
コージーベース株式会社
代表取締役 松本 好司(まつもと こうじ)
出身: 松山市生まれ
富士通在職中: 26年間で28回の経営表彰(社長表彰含む)
広島県庁: 特別職 経営企画アドバイザー
公立大学: 経営大学院(MBA)新設に携わる
国の研究機関: プロジェクトマネジメントアドバイザー
建築学科を持つ学校法人: 顧問・専門委員を経験
保育事業: 科学的知見をもとに、健康で安心な保育園設置のアドバイザーを歴任
現在は、これまでのすべての経験を集約し「人生の質を高める住まい」をテーマに活動。
子どもたちの未来と家族の健康を守るため、生まれ故郷である松山・愛媛にて、自然素材を活用した本物の健康住宅の設計・普及に全力を注いでいます。

